『脇役にも五分の魂』を書き終えて

 夏美は結構自分の内に情熱を秘めたキャラなんじゃないかな、と思ってます。
 コンプレックスが強くて自分に自信がない人間ならば、他人の顔をビクビクしながらただ日々が過ぎゆくのを待つか、あるいは他人に依存して安心感を得るか、どちらにせよ、能動的とは言い難い行動を取ると思うんです。
 しかし、夏美はそれでも自らの足で舞台に立つ。ならば、彼女を舞台に駆り立てるものはいったいなんなのか? 
 それは、そんな自分を変えたいという、燃え上がるような情熱なのではないか。
 僕は、その情熱を自分の手で表現したい、夏美というキャラを描きたい、そう思って書き始めた……はずなんですが、なんでこんな作品になってしまったのか、僕にもさっぱりわかりません。
 願わくば、夏美ファンから石を投げられませんように痛っ! 痛い、痛いって! ちょ、その石はでかすぎ! ご、ごめんなさい! もうしませんから!