107時間目 いじめっコ大将、エヴァ

 連載ネタバレ注意!
トルストイの『アンナ・カレーニナ』の冒頭にこんな一文がある。『幸福な家庭は皆同じように似ているが不幸な家庭はそれぞれにその不幸の様を異にしているものだ』」
 刹那VSエヴァの試合前、エヴァのそんな一言から始まった107時間目。ここからすでにエヴァの刹那苛めは始まってますね。エヴァの顔もいつもより心なしか悪人面です。
 しかし、刹那を苛めるとは言っても、現在のエヴァ世界樹の魔力により身体能力が中高生程度で呪文もほんの少し使えるくらいで、刹那とは力の差があり過ぎます。そんな状態でどう戦うのかというネギの問いにチャチャゼロは「魔力トカナクテモ幾百年生キテルッテノガ伊達ジャネーッテワカルゼ?」とエヴァに何か策があることを示唆しました。
 そして、皆が見守る中、ついに刹那VSエヴァの試合が開始されました。
「私にはあなたと戦う理由がありません」とエヴァの戦うことに対して刹那は消極的。反面、エヴァは殺る気マンマンです。攻撃してこない刹那に先制攻撃。なんと指を少し動かしただけで刹那の腕がギリギリとつり上げられ、ついには完全に体を固めました。ここに至って、刹那は攻撃の正体が糸であることに気付きます。チャチャゼロが試合前に言っていたことはこれだったのですね。ていうか糸で固められたせっちゃんがエロすぎ!
 体を固められた刹那にエヴァは語りかけます。「修学旅行で最愛のお嬢様と和解し、神楽坂明日菜と仲良くなって友達ごっこか? 何だその人並みの幸せに浸って緩みきった表情は」言われて自身の幸せに気付き、言い返す刹那。「し…幸せになってはいけないのでしょうか?」「いかんとは言わん……が、つまらん。それに貴様、そのザマでお嬢様を守れるのか?」
 その一言に、ついに刹那が反撃を開始します。しかし、エヴァの合気鉄扇術によって攻撃を受け流され、再び刹那は糸に絡め取られてしまいました。さらにエヴァは語りかけます。
「刹那……貴様――幸せになれると思うのか? 私と同じ、人外のお前が」
 外野で二人のやりとりを聞いていた明日菜ここでついにブチキレ。「何よ『幸せなやつはつまらん』って、バカあんた!?」明日菜の言葉に会場が、そして刹那が震えました。こ、これがアスせつというものか!
 しかし、未だに糸に絡め取られている刹那はエヴァに言われるがままに魔眼に魅入られてしまいます。
 一方、会場の外では美空たちが龍宮と対峙。「チケットのない方は御遠慮願おう」というところで今週は終了。しかも来週は休載。こ、こんないいところで! 刹那VSエヴァも美空VS龍宮も、どっちも気になって仕方がありませんよ! 長い二週間になりそうだなぁチクショウ!
 というわけで、今週はひたすらエヴァが刹那を苛める展開でしたが、エヴァは別に刹那の幸せを本気で潰そうとは考えていないでしょうね。エヴァが試合前に言っていたように、ぬるま湯につかっている刹那の目を覚ますための余興なんでしょう。そうでなければ「幸せになれると思うのか?」とは語りかけないでしょう。この論理だと人外のエヴァは幸せになれなくなってしまいますからね。せっかくナギの生存を知って、今まさに幸せを掴むために歩き出したところだというのに。まあ、つまり、今週はエヴァせつ祭ってことでFAの方向で。